Sep 26, 2009
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菅直人首相が、東日本大震災からの復興を担う「復興庁」の新設について、「1つの組織をつくると、権限の調整にエネルギーを取られ、必ずしも機能しない」と慎重姿勢を示した。だが、ちょっと待て。震災後、20もの本部や会議を立ち上げて機能不全に陥っているのは、他ならぬ菅政権ではないか。平気で天につばする菅首相の頭の中をのぞいてみたい。
「復興庁」は、関東大震災後に後藤新平が率いた「復興院」をモデルにしたもので、復興に関する権限を各省庁から移管して一元化する組織として、政府内で浮上していた。
しかし、菅首相は18日の参院予算委員会で、冒頭のように否定的な考えを示した。復興庁の功罪はともかく、組織を作りすぎて機能不全を起こすのは、皮肉にも震災や福島第1原発に臨む菅政権が実証している。
政府・与党は震災後、雨後のたけのこのように組織を乱立させた。しかし、官僚は資料作りに追われ、司令塔は不在。実務は滞り、震災対策では復興関連の法案は全く通っておらず、義援金の配分割合も決まっていない。原発事故への対応でも後手を踏んでいる。野党は会議乱立がその原因のひとつになっているとして、猛批判している状況だ。
18日には、公明党の加藤修一氏は「会議名を全部知っているか?」と菅首相に聞いたが、首相は会議名を答えられず。「決して、無責任に作ったわけではなく、(地震津波と原発事故の)二面作戦にならざるをえなかった」と正当化したが、支離滅裂だ。
また、菅首相は自らの内閣について、「100%とは言わないが、関係者が全力を挙げており、政府全体としては一定の評価を頂いている」と自画自賛した。首相に好意的とされる朝日新聞の世論調査でさえ、震災対応を「評価する」は22%、福島原発事故への対応を「評価する」は16%。サラリーマンなら、この査定で「評価されている」とは誰も思えない低評価なのだが…。
菅首相は「欲張りかもしれないが復興・復旧、財政再建に道筋がつくところまでやれば政治家として本望だ」と長期政権への意欲まで示した。どこまで面の皮が厚いのか。
■東日本大震災後、政府・与党が作った主な組織 緊急災害対策本部▽被災者生活支援特別対策本部▽被災者生活支援各府省連絡会議▽被災地の復旧検討会議▽災害廃棄物処理の法的問題検討会議▽災害廃棄物処理の円滑化検討会議▽被災者就労支援・雇用創出推進会議▽被災者向け住宅供給の促進検討会議▽震災ボランティア連携室▽義援金配分割合決定委員会▽原子力災害対策本部▽原子力被災者生活支援チーム▽福島原発事故対策統合本部▽原子力発電による経済被害対応本部▽電力需給緊急対策本部▽日米連絡調整会議▽復旧・復興検討委員会▽各党・政府震災対策合同会議▽復興構想会議▽復興実施本部(仮称)
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昨年9月、沖縄・尖閣沖で起きた中国漁船衝突事件で、那覇検察審査会は18日、公務執行妨害容疑で逮捕され、那覇地検が起訴猶予処分(不起訴)とした中国人船長を起訴相当とする議決を下した。菅直人政権の「中国優遇」ぶりが取り沙汰された事件だが、東日本大震災でも、菅政権の中国“特別扱い”は問題視されている。
「外交関係のけじめをつけるためにも(起訴相当)を議決した」
検審は議決書にこう付言した。菅政権の外交姿勢への批判が感じられるが、菅首相に反省はなさそう。震災への支援に感謝するため、中国にだけ首相特使を派遣したのだ。
特使を務めたのは笹森清内閣特別顧問。今月10日に訪中し、11日に北京で戴秉国国務委員と会談。胡錦濤国家主席あての首相親書を渡すとともに、中国政府の支援に謝意を伝えたという。12日には、菅首相自身が中国の温家宝首相に電話し、感謝を述べている。
今回の震災で、中国は3月13日にレスキュー隊員15人を派遣。ガソリン1万トンやディーゼル油、テント、毛布などの支援物資を提供してくれた。日本人としては素直に感謝したいが、こうした支援をしてくれたのは中国だけではない。
外務省によると、諸外国・地域・国際機関からの救助チーム・専門家チームの受け入れは23。諸外国などからの物資支援は37にのぼる。特に、同盟国である米国は地震直後に空母「ロナルド・レーガン」などを被災地沿岸に急行。「トモダチ作戦」と名付け、大規模な支援作戦を展開した。菅首相は3月30日、オバマ大統領に電話で感謝を伝え、今月17日に来日したクリントン国務長官にも謝意を述べたが、特使を派遣した記録はない。
その一方で、菅政権は震災直後、世界各国から緊急救助隊が駆け付けるなか、中国と韓国の救助隊だけを外務副大臣が空港で出迎えている。自民党閣僚経験者は「民主党の『親中疎米』という本音がよく分かる」とあきれる。
ただ、中国は支援の裏で、したたかな動きも見せている。公安関係者は次のように語る。
「中国のレスキュー隊員15人は、岩手県大船渡市で活動した。救援活動も一生懸命やってくれたようだが、被災地の様子や自衛隊の活動状況などをカメラで数多く撮影していた。警察関係者の中には『まるで諜報活動だ』ともらす者もいた」
自衛隊が10万人規模の部隊を被災地に投入していた3月26日午後には、南西諸島西側の東シナ海の日中中間線付近で、中国の海洋調査船搭載ヘリコプター「Z9」が、警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に急接近するという“事件”もあった。
外交安保が専門の日本政策研究センターの濱口和久研究員は「世界各国の支援を受けながら、1カ国にだけ首相特使を送るのはおかしい。特に、米国は内心おもしろくないはず。民主党外交には『中国に接近して米国を牽制する』というフシがある。中国はそんな民主党を試すように挑発している。民主党のこうした外交姿勢には、国民も不信感を持つのではないか」と語っている。
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